【輪読】ウォール街のランダム・ウォーカー (4章)

ウォール街のランダム・ウォーカー

第四章 21世紀のバブルの紹介

目次

  1. インターネット・バブル
  2. 住宅バブル
  3. バブルと経済活動

インターネット・バブル

八兆ドル超の富の消失
新しいテクノロジー、事業機会はバブルを生み出す(トロニクス・バブル、南海バブル)
インターネットはその両方の要素を併せ持つからたちが悪い
→なぜ膨らんだか:
 「ポジティブ・フィードバック・ループ」(ロバート・シラー
① インターネット関連っぽい銘柄が買われる
② 株価が上がる
③ 注目される(投資家、テレビ・雑誌等)
④ より買われる(より馬鹿理論)
⑤ ①で買った人らが儲け、自慢する
⑥より買われる
 →しかし、より馬鹿の供給には限りがある
例)シスコ(インターネット企業のブルーチップ):
 株価収益率100倍以上、一株当たり利益が年率15%で25年間増加
 →米名目GDP(年5%成長と仮定)よりも大きくなる
ファンダメンタル価値もくそもない株価評価
 トロニクス・ブームよろしく、~ドット・コムが株価に影響
南海バブル時代を彷彿とさせる、事業内容眉唾新興企業IPO
 「株価は収益性とは完全に切り離されるようになり、」(p100)大衆がインチキ企業に投機
証券アナリストも煽る
 「今は無謀と思われる行動が合理的な局面なのです」
   →新たな株価評価尺度の登場:
株価の暴騰を正当化。
ニューエコノミーは古い評価尺度なんぞで測れないんだ!
「瞳の数」「ヒット数」「真剣なビジター」
   ・売り上げなんて古い尺度
(企業サイトを訪れた人の数を見ても、そいつらが商品を買ったかは見ない)
メディアも投機ブームに一役買った
視聴者(読者)にニーズがある情報だけが増加:
慎重論はウケないため、すぐに倍になる株特集とかばかり
「ポルノ雑誌の株式版」(ジェーン・ブライアント・クイン):
ハワード・スターンですら、合間に相場のニュースを挟むほど
〇バブルは企業の不正も誘発した

住宅バブル

金融システムの変化
旧:住宅抵当ローンを供与→銀行はローンを資産計上、返済完了まで保持
新:ローンを投資銀行に転売→投資銀行はそれらをいくつか束ねて担保にし、債権(MBS=住宅ローン担保証券)発行。
債権利元利払いは住宅ローンの元利払いから
MBSを集めた証券や、MBSの元利不履行時のための保険(CDS)などの派生商品が原資産(住宅抵当ローン?)の何倍にも拡大→金融システムが不安定に
がばがば融資基準
 ・銀行や住宅抵当会社は、すぐにローンを転売してしまうのだから、ローンの借り手を慎重に審査しない
 ・頭金なし、安定収入なし、定職なし、保有資産なし でOK
 ・誰でも簡単に、住宅購入の資金を手に入れられる→住宅価格上昇
 ・政府も低所得者の住宅抵当ローンの元利払いを保証
→住宅価格高騰→リスクフリーの投資じゃん!→さらに買い手殺到
・自分が住むのではなく、転売目的で投資
・「どんなバブルもやがてはじける」
・住宅保有者に残ったのは住宅価値以上のローン→金なんて使ってられない→経済低迷
MBSが紙くずに→それを持ってた金融機関の破綻→金融機関の貸し渋り(中小企業向けローン、消費者ローン)→経済低迷
ベア・スターンズフレディマックファニーメイリーマン・ブラザーズが経営破綻

バブルと経済活動

(・バブル崩壊の影響は、投機した人間だけでなく金融機関にも→経済に深刻なダメージ(例:住宅バブル)) ・株式市場は合理的に価格形成していない?時に不合理な動きに支配される?ファンダメンタル価値は意味ない?
・「やがて市場で「本来の価値が認識される」」と知ることこそが重要
・企業の収益力の予想やリスクの推測は正確にできない→株式市場は常にある程度間違った価格をつける
・かといって、どんな優秀な投資家でも何が間違っているかは正確にわからない
→市場平均には勝てない
→株式市場は間違っていて合理的

だいじ
☆株式市場は合理的
☆投機するな
☆株式かぶしきぽーとふぉりおを買ってじっとしてろ