【輪読】ウォール街のランダム・ウォーカー (1章)

ウォール街のランダム・ウォーカー

第一章 株式投資の二大流派​
「ファンダメンタル価値」学派vs.「砂上の楼閣」学派​

目次

  1. ランダム・ウォークの旅(pp.17-18)
  2. 1.ランダム・ウォークとは何か ​  サルでもできる株式投資(pp.19-20)​
  3. 私のウォール街での成功(pp.20-22)​
  4. 2.生活の一部になった株式投資​  「投資」と「投機」の違い(1)​
  5. 「投資」と「投機」の違い(2)​
  6. 資産価値を守るための努力(pp.24-25)​
  7. 3.将来を予測する能力​
  8. 4.ファンダメンタル価値学派​  1年後の1ドルは今日いくらの価値があるか(pp.26-27)​
  9. 配当の成長率の差に注目(pp.27-28)​
  10. 5.砂上の楼閣学派​  心理的要素を重視(pp.29-30)​
  11. ケインズの「美人投票」論​
  12. 6.ランダム・ウォークの実践​
  13. 問題提起と疑問点​

ランダム・ウォークの旅(pp.17-18)

通説:一般の投資家は、ウォール街のプロには太刀打ちできない。機関投資家の取り仕切る今日の株式市場に個 人投資家が入り込む余地はない。しかし、個人投資家は少なくとも専門家と同等、またはそれ以上の運用成果を上げることができる。この本は個人投資家のためのわかりやすい投資の手引きである。

1.ランダム・ウォークとは何か  サルでもできる株式投資(pp.19-20)

ランダム・ウォーク:物事の過去の動きからは、将来の動きや方向を予測することは不可能である。
→株価が短期的にどの方向に変化するかを予想するのは難しい。
→サルが適当に選んだ銘柄のポートフォリオでも専門家と同等の運用成果を上げることができる。 学者と証券アナリストとの論争
証券アナリスト「学者は机上の空論」「ファンダメンタル分析」か「テクニカル分析」で対抗
→学者は「ウィーク型」「セミストロング型」「ストロング型」のランダム・ウォーク理論と「新しい投資テクノロジー」で応戦

私のウォール街での成功(pp.20-22)

著者の経歴
1.投資分析と資産運用のプロとしての実務経験
2.エコノミストおよびいくつかの組織の投資委員会委員長としての立場
3.一個人投資家としての株式投資での成功

2.生活の一部になった株式投資 「投資」と「投機」の違い(1)

投資:配当や金利、賃貸料など、かなり確実性の高い収入の形で利益を上げること、および長期保有して値上がり益を得ることを目的とした金融資産の購入
→投機との違いは投資リターンの期間の差 本書では「投資家」向けの本「ゆっくりと、しかし確実に金持ちになる本」
→少なくともインフレ率と同じだけのリターン

「投資」と「投機」の違い(2)

  • 2000年代初めは、アメリカなどの先進国のインフレは年2%程度の低水準
    →しかし、将来的なインフレの加速を念頭に入れよ
  • サービス経済化による労働生産性の持続的向上の困難
    →物価を押し上げる要因は存在
  • 緩やかなインフレに対してですら、実質購買力を維持するためにはそれ相応の投資戦略が必要
    1962年から2018年の新聞の価格は5900%値上がり

資産価値を守るための努力(pp.24-25)

本気で証券投資を行うには努力が必要だよ証券投資は実に面白いよ →資産が給料よりも速いペースで増加するとわくわく →金が金を生むことの問題性(金融資本主義の問題)

3.将来を予測する能力

投資とは成功するかどうかが将来を予測する能力によって決まる賭けである。 投資業界のプロたちによる資産価値評価の伝統的理論
→「ファンダメンタル価値」理論と「砂上の楼閣」理論

4.ファンダメンタル価値学派 1年後の1ドルは今日いくらの価値があるか(pp.26-27)

ファンダメンタル価値学派の主張
→投資対象には「ファンダメンタル(本質)価値」がある。資産の市場価値がファンダメンタル価値を下回れば購入し、上回れば売却するチャンスである。なぜなら一時的な割安・割高な状態はいずれ修正されるからだ。
ウィリアムズの「割引」
→一年後に手にする金額の現在の価値を求める考え方→金利5%の場合、1年後の1ドルは現在の95セント

配当の成長率の差に注目(pp.27-28)

ファ学派の理論は、株式の価値は将来、企業が配当として支払うお金の流烈によって決まる。
→現在の配当の水準と、その増加率が大きければ大きい  ほど株式の価値は高い。 しかし、証券アナは配当の長期的な成長率だけでなくどのくらいの期間、平均を上回る高成長が維持できるかも推定しなくてはならない。バフェットはファ理論の忠実な実践者

5.砂上の楼閣学派 心理的要素を重視(pp.29-30)

ケインズによる理論
→プロの投資家は本質価値を見出すためにではなく、一般投資家がどのように行動し、強気が支配する相場の局面で、希望的観測がどのように砂上の楼閣を作り上げるか分析することにエネルギーを費やす。 ケインズは株式市場を考える拠り所として、金融資産評価の視点ではなく群集心理の原理を重視。

ケインズの「美人投票」論

新聞紙上美人コンテスト:100人の美女の顔写真を掲載して不特定多数の読者に投票させ、選ばれた美女たちに最も近い読者に多額の賞金が与えられた。
→投票戦略は不特定多数の参加者の平均的な見方の予測 株式投資でも同様の考え方ができる。
→不特定多数の平均的な見方を予測し、機先を制することで「愚かな人」に高い値段で買い取ってもらう。

6.ランダム・ウォークの実践

ランダム・ウォークの旅に参加しようと決心していただけたよな??? 歴史的株価形成はどのように行われてきたか。先の二つの理論がそれにどう関係したのか。まずはバブルについて検討しよう。

問題提起と疑問点​

投資信託とインデックスファンドの違いとは。​ →ポートフォリオの入れ替えの有無​ 先の二つの理論と著者の理論の違いは?​ 著者の議論の新規性は?​